街づくりも考えます

今回のお話は国際自然大学校の機関誌『OUTFITTER』雑記帳2019年5月号に掲載した雑記帳の再掲載です。

ただし、2019年7月15日に加筆修正しました。

 

八ヶ岳の我が家から小淵沢の駅まで、40分程度歩いています。

先日も満開の桜の中を歩いていると、私を追い越しいた郵便局の車が、私の前に止まり、郵便屋さんが降りてきました。

そして「もし郵便を出すなら預かりますよ。」と、話しかけてくれました。

私は、小さなスマートレターとハガキを手に持って歩いていたのです。

怪訝に思いながらも、優しい郵便屋さんだなと思い「ありがとうございます」と、その郵便物を託しました。

にこやかに受け取った郵便屋さんは、車に乗り込むと走って行きました。

そして、少し先に見えていた郵便ポストの前に止まると、郵便物を集荷して行きました。

な〜るほどと、私は得心しました。

ポストに郵便を入れるであろう私を追い越して、集荷してしまえば、私の郵便物は明日の集荷になってしまう。だから、わざわざ車を止めて、預かってくれたのでした。

これは、田舎の良さかなと、思いつつ、優しい郵便屋さんだな〜と、改めて、その郵便車に頭下げてしまいました。

きっと、見えなかったでしょうが。

 

もうひとつの体験をお話ししましょう。

川崎のマンションで、ゴミを出そうと集積場のドアを開けました。

サーッと走ってきた小学生が、私の開けたドアの隙に、実に巧みにゴミを、ぽ〜んと放り込みました。

そのまま行こうとするので、「おはよう」と声をかけると、驚いたように小さな声で「おはよう」と言いました。言うが早いか駆けて行ってしまいました。もちろん「ありがとう」の言葉はありませんでした。都会では、知らない大人と話してはいけないと教育されていますからね。

 

このように、同じ人間が暮らす環境でも随分違います。

前者の郵便屋さんのようなことは、何かまわりから監視されているようで嫌だと感じる人もいるかもしれません。(私は、いい感じなのですが。)

後者の子どものことは、どう考えても、もう少しコミュニケーションとりたいですよね。

どちらも、帯に短し襷に長しの状況なのかもしれませんね。

 

その中間を行くような街づくりができたらいいなと思います。

心地よい人間関係と、心地よい不便さの街を作れないものでしょうか。

街の人達みんなが、そういう心を持って、企業もそれに寄り添った商売をしてくれる街になればいいのになと思いました。

そして、ふと思い出しました。そのような街づくりをビジュアルにしたのが、養老孟司さんと宮崎駿さんの対談集、「虫眼とアニ眼」(新潮文庫)の巻頭の、あの街の絵なのだと。

 

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